道なき道を進む

今日は、きたもっくの福嶋誠さんに北軽井沢で展開されている事業を案内してもらった。いつもいろいろプロジェクトをご一緒しているミュージシャン/サウンドエンジニアで北軽井沢にもスタジオをもって活動されている松井敬治さんの紹介で。

ルオムの森でランチをしたあと、キャンプ場SweetGlassにはじまり、宿泊型ミーティング施設TAKIVIVA、山の手入れから伐採、薪の乾燥、製材、養蜂まで、山の循環産業を目指す「あさまのぶんぶん」の工場、さらにまだ構想中のいくつかの拠点などを見せていただく。北軽井沢は同じ浅間山麓でありながら軽井沢や御代田とはまたちょっと違うスケール感と風景で面白い。

福嶋さんのお話は、浅間山という圧倒的な自然の力を前にした「自然に従う生き方」、地域に根ざした新産業をつくるという「地域主体方法論」という考え方に共感するし、90年代に地元北軽井沢に戻って手探りでキャンプ場を始めたときの話も、最初はいくら木を植えても枯れてしまい植木屋さんもお手上げ状態の中でダメ元で山から樹種を選ばず雑多に持ってきたら定着したという話や、「人が居続けられる場づくり」を軸に展開されてきた事業の話など、どれもとても興味深かった。(TAKIVIVAにも飾られていた2021年にグッドデザイン賞金賞を受賞したときの事業の全体像を描いた絵がわかりやすい。)

そうした実践をこの規模で動かされているのもすごいのだけど、福嶋さんご本人のピュアでナチュラルな人柄も魅力的。福嶋さんのパジェロに乗せてもらいながら、最後は牧草地のある山の方まで案内していただいたのだが、ちょっと上の方まで上がってみますか、とおもむろに牧草地を進んでいく福嶋さん。これまでも何度もスタックしたり横転したりしたことがあると笑い話をしながら進んでいったら、最後は本当に溝にタイヤがはまりスタックしたり(笑)。

人生だけでなく、文字通り(時にはスタックしながら)「道なき道を進む」姿を目の前でみせていただいた、記憶に残る1日だった(笑)。

福嶋さんのお話は、ウェブの記事や僕も出演させてもらった山水郷チャンネルでもいろいろされている。地域主体方法論も改めてしっかり読んでみたい。