稲刈り

息子が米つくりたいと言い出して今年本格的に取り組むことになった米づくり。地域の人たちや周りの仲間にたくさん助けてもらって、なんとか稲刈りを終えることができた。

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もともと先週稲刈りの予定だったのだが、当日朝行ってみると田んぼの中の水が全然引いておらず、奥の水溜まりでは稲が倒れていてとても稲刈り機が入れる状況ではなかった。(稲が倒れるのは、よく育って背が高く稲穂が重いのに加えて、水が引かず根元の土が緩いから。穂が実って先端が重くなると共に絶妙に土が渇くようにタイミングよく水を抜いていく必要があるようだ。)協力しながら同じようにやってきた両隣りの田んぼはしっかり乾いていたので、やはり今年新たに始めた田んぼでいろいろやってみないとわからないことがある。

結局その日は予定を変更して両隣りの稲刈りを先にみんなでやり、次の日は「田んぼの水全部抜く」作戦。周りの方々も助けに来てくれて、長年培われた知恵を教えてもらい、田んぼの中に溝を掘ったり、畔を一部崩して田んぼの中の水を外に流したり。

自分でも何か使える道具はないかと、以前畑を借りていた時に使っていた簡易ポンプとポータブル電源を持っていったのだが、これも思いのほか役に立った。先人の知恵とテクノロジーの組み合わせで徐々に水が引いていく。

翌日から時間があれば黙々と倒れてしまった稲をぬかるみから救出してひたすら手刈り。根元だけでも立っていれば稲刈り機が刈ってくれるが完全に倒れてしまうと手で刈ることになる。手伝いに来てくれた皆さんへは感謝しかない。自然相手では自分がいつ助けてもらうことになるかわからない。普段から助け合うことの大事さを身をもって知る。

同時に、手植えや手刈りをしてみると田植え機や稲刈り機というテクノロジーの凄さも感じる。田植え機は苗箱から程よく苗を摘んで次々植えていくし、稲刈り機は刈ってくれるだけでなく縄で縛ってくれる。ほんとによく出来ている。

ちなみに、朝1人で田んぼにいるとどこからともなくアオサギがやってきて、気づくと虫やどじょうをついばんでいる。こちらに気づいても慌てず騒がず悠々としていて、まさに「君たちはどう生きるか」の世界だ。

そんなこんなで土も固まってきてようやくの稲刈り。この日もいろんな方に助けてもらいながら、なんとか稲刈り完了。息子も振替休日で手伝い頑張った。あとは脱穀まで台風や大雨が来ないことを祈るのみ。

植えた時はあんなに頼りなげだった数本の苗からこんなに立派な稲が育ち、米として食べられるという奇跡。現代は衣食住はもう満たされて、、という言い方をたまに見かけるが、食が満たされているのは決して当たり前ではなく、こんな奇跡に支えられていることを改めて実感する。