御代田に移住して稲作塾に参加するようになって4年目の今年。中学生の息子も興味をもっていることもあり、もう少し米づくりに本格的に関わりたいと思っている。
これから先、食べるものをつくることは生きる上でますます大事な営みになるのではないか。その中でもやはり日本の食を支えている米をつくれるようになりたい。というか米が好きだ。米があれば生きていける感じがする。
稲作塾には、移住してすぐに主宰する森田さんとのご縁で参加させてもらい、田植えと稲刈りだけでなく、田んぼに水を引く水あげ、無農薬なので生えてくるヒエなどの草取り、稲刈りのあとははざがけ、脱穀まで、ほとんど何も知らなかった米づくりの流れを一通りは体験させてもらうことができた。とはいえ、あくまで都度お知らせが来て予定が合えば参加するという「体験」で「営み」というには程遠い。年間を通した段取りや日々の田んぼの管理など、まだまだ知らないことだらけで米づくりの全体像が掴めた感触がない。
そこで、年末年始に森田さんに相談して米づくりを語る会を開いてもらい、農業政策を含めた日本の米づくりの現状を教えてもらったり、参加している人たちがどんな思いで米づくりに関わっているかを話し合った。稲作塾に参加している理由も、子どもに経験させたいとか、安全で美味しい米をつくりたいとか、それぞれなのである。
畑と違って田んぼは周囲の田んぼとすべて水路で繋がっていて、自分の田んぼだけ勝手な動きをしたり管理を怠ったりすると他の田んぼにも迷惑がかかる。当たり前だが水は高いところから低いところへしか流れない。年間を通して上流側から足並みを揃えて協力しながら作業を進める必要があるのである。その他にも、水を張ったら常に必要になる水の管理や、無農薬でやるならとにかく草や虫との闘いだということ、鯉や鮒を田んぼに放つ農法も今はミンクやいたちに食べられてしまうとか(リアルいたちごっこ、、!)、もぐらが畔に穴を開けて水が流れ出てしまわないように、もぐら穴を見つけたら踏み固める(リアルもぐら叩き、、!)とか、、いろいろと大変なことはありそうだが、何よりつくった米が食べられるのは何ものにも代え難い大きな喜びがあり楽しみだ。
(コンヴィヴィアル・テクノロジー的に)いろいろと実験してみたいこともあるが、とりあえず今年は下っ端の見習いとして、この地域の田んぼに関わるいろいろな作業を手伝わせてもらいたいと思っている。ひとまず(田植えから稲刈りまで)5時6時には起きて出来るだけ「朝活」に参加するのが当面の目標である。
ちなみに、このエリアには田んぼだけでなく、ブルーベリー畑やフジバカマ畑もある。フジバカマ畑にはアサギマダラという蝶が渡ってくるそうで、いろいろと謎に包まれた蝶らしい。遠くは大陸の方まで海を2500km渡ったという記録もあるらしく、確かに小さな蝶が何百kmと飛べるというのはどういうことだろうととても気になる。
新しいことを学びながらチャレンジするのはやはりワクワクするものである。